医療崩壊は病気や怪我をしたときに、普段であれば受けられるはずの適切な治療が、患者の急増や医療スタッフの不足などによって受けられなくなる極めて深刻な状態を指します。
このような事態を防ぐことは、私たち一人ひとりの命と健康を守るために社会全体で取り組むべき最重要課題です。
医療崩壊が起こる引き金はさまざまで、世界的な感染症の流行によって患者が爆発的に増え、病院のベッドや人工呼吸器が足りなくなる事態は記憶に新しいでしょう。
また、それ以前から医師や看護師の過酷な労働環境による疲弊や離職が続いており、医療の担い手不足が深刻化していました。
こうした医療提供体制の脆弱さが、非常時に一気に露呈したのです。
この危機を防ぐためには、医療の提供側と医療を受ける側の両面からの取り組みが欠かせません。
まず医療現場では医療従事者の労働環境を改善し、離職者を減らすことが急務です。
業務の効率化や役割分担を進め、心身ともに健康で働き続けられる職場を作らなければ医療の担い手はいなくなってしまいます。
高度な治療を行う大規模病院と、日常的な病気を診る地域の診療所が役割を分担し、うまく連携することで医療システム全体の負担を軽減できます。
一方、私たち市民一人ひとりの行動も大切です。
たとえば、休日や夜間に軽い症状で救急外来を受診するコンビニ受診は、本当に緊急な治療を必要とする患者の妨げになりかねません。
普段から気軽に相談できるかかりつけ医を持つことで、適切なタイミングで適切な医療機関にかかることが可能です。
健康診断をきちんと受け、バランスの取れた食事や適度な運動を心がけるなど、病気にならないための予防に努めることも結果的に医療資源の確保につながります。
医療崩壊の防止は病院数を増やしたり、最新の機器を導入したりすることだけではありません。
医療従事者を社会全体で支え、私たち自身も医療を賢く使う意識を持つこと、その両輪があって初めて誰もが安心して医療を受けられる社会を未来へつなげます。